こんにちは。WEBデザイナーの梅川です。
ホームページ制作を依頼したいけれど、
「何から始めればいいのか分からない」「何を準備したらいいか分からない」
というご相談をよくいただきます。
担当者さんの中には何も分からない状態で急に任されて、
「トラブルになったり失敗したらどうしよう」とプレッシャーを感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、制作側の視点から心構え的なことやヒアリングで聞かれるであろうこと、制作中に必要になるであろうモノ等についてご説明します。
事前に知っていて準備ができれば、いざ打ち合わせになったり「○○を用意してください!」とお願いされても落ち着いて対処できますし、スムーズにやり取りができて制作スピードが上がったり、ホームページの質が上がったりといいことづくしです。
この記事がWEB担当者さんの不安をちょっとでも解消する一助になれば幸いです。
■ホームページを依頼する前に知っておきたい考え方
①ホームページ制作にはクライアントの協力が必要
まず大前提として心に留めておきたいのが、ホームページ制作は商品のように「発注さえすれば完成したものが届く」というわけではないということです。
私たちがホームページのデザインを考える時、いきなり真っ白なキャンパスを埋めるなんてことはしません。まずは「ホームページを構成する要素」を決める必要があります。
【ホームページを構成する要素】
・ページ構成
・使用する色の組み合わせ
・機能(システム)
・コンテンツの内容や配置する順番・位置
・キャッチコピーや文章のライティング
・内容に合った画像の選定
等
これらの要素を決めるための指標として、クライアントとの情報共有が必要になります。
例えば「建築会社」と一口に言っても、
「どんな種類の建物を建てるのか?」「どんなお客様から依頼をもらうのか?」「会社の強味はなにか?」など、ぱっと思いつくだけでもこれだけの要素が出てきます。
もしもこういった情報共有もなく全て私たちが勝手に決めてしまうとどうなるのか・・・。
間違いなく「なんか思てたんと違う」ホームページが出来上がります。
その結果、作り直しになって追加費用が掛かったり、予定していた納期に公開が間に合わなかったり、内容が正確でなかったため顧客とトラブルになったり、薄っぺらな中身で全く効果が得られなかったり、継ぎはぎのようなデザインで使いづらかったり・・・といったことが起こりかねません。
ホームページを制作するための基準となる情報を共有し、時には一緒に考えていただき、必要な場合はインタビューや撮影等にも参加していただきながら作り上げて行くことが大切です。
⓶ホームページは公開して終わりではない
ホームページが出来上がると、ホッとしてそのまま更新をしなくなってしまうケースが多々あります。
ホームページは一度作ったらそれがゴールではなく、公開した後の運用を続けることが大切です。
実際に運用してみると想定と違っていたり、時代や状況の変化があったりするため、ずっと同じ内容では合わなくなってくるからです。
効果の確認→ターゲットやコンテンツの見直し→改善を繰り返すことで、役立つホームページに育てていく必要があります。
愛着のないホームページを適当に作った結果、後々デザインも内容も180度方向転換しなければならないなんてことになったら、時間も費用も余計に掛かってしまいます。
逆に、気合を入れすぎて情報や機能を詰め込んだ場合も、管理しきれなくなり更新が滞る原因になります。
■ホームページ制作に必要な事前準備~振り返り編~
①ホームページ制作の目的
ホームページ制作の依頼をいただいて何よりもまず確認したいのがホームページを作る目的です。
「目的」はホームページを作るための大きな軸になります。
例えば、
・採用活動にもっと力を入れたいから
・新しく始める事業の周知・集客をしたいから
・新商品のPRをしたいから
・店舗の商品をネット通販でも売りたいから
・新規取引や金融機関とのやりとりで信用を得たいから
・既にホームページを持っているがデザインが気に入らないから
・既にホームページを持っているが使いにくいと感じているから
等
よくあるのがホームページを作ること自体が目的になってしまっているケースです。
ホームページは「目的地」に向かうためのあくまで「ツール」でしかありません。
「ホームページを作りたいから作る」「リニューアルしろという指示があったから」だと、目的地が決まっていないのでどんなツール(ホームページ)が必要なのかが分からないのです。
「どうしてホームページが必要と思ったのか?」「何故今のホームページをやり直したいと思ったのか?」
その根本となるきっかけや原因があるかと思いますので、依頼前に振り返ったり社内で確認しておくことをおすすめします。
②ターゲット
目的を達成するには「誰に」「どうして欲しいか」を具体的に考えるのですが、その「誰に」の部分がターゲットにあたります。
例えば、目的が「採用活動にもっと力を入れたいから」だとすれば、ホームページを見た人に「応募(問い合わせ)してきてほしい」わけです。
ではどんな人から応募してきて欲しいのでしょうか?
女性か男性か?新卒なのか中途採用なのか?出来るだけ若い人材がいいのか、即戦力になれそうな経験者がいいのか等、
それによって訴求の仕方や見せ方はかなり違ってきます。
具体的には次のようなことを考えます。
・年齢
・性別
・地域
・立場や役職(既婚・独身・中高生等)
もちろん打ち合わせの中で一緒に考えたり、新たな気づきがありこちらからご提案する場合もありますが、目的が明確な場合や商品やサービスがある場合には既に決まっていることがほとんどだと思います。
「解決したい課題」「商品やサービスの開発背景」「仕入れたきっかけ」といったことを確認しておくと打ち合わせがよりスムーズになります。
③事業・会社・商品・サービスの強味
目的がどんなものであれ、ターゲットに行動を起こしてもらうためには、強味や特長を正しく伝えアピールをする必要があります。
「強味はなんですか?」と質問されると困ってしまわれると思いますが、そのまま公開できるくらい固まってなければならないというわけではないんです。
ある程度会社や商品のことを率直にお話しいただければ、それが大きなヒントになりこちらからご提案することができます。
例えば・・・
【企業であれば・・・】
・どんな想いで仕事をしているか
・普段大切にしていること(素早さ・柔軟さ・親しみやすさ・誠実さ・価格の安さ等)
・お客様のために心がけていること(どんなところを気に入ってもらっているか)
・従業員はどんな人が多いか(職場の雰囲気)
【商品やサービスであれば・・・】
・店頭で説明するとしたらお客様にどんな説明をするか
・開発された又は仕入れたきっかけや想い
・お客様からどんな感想をよくいただくか
いざ打ち合わせをするときのために例えば営業の方に聞いてみるなどして洗い出しておくといいかもしれません。
④その他こだわり
アピールポイントと被ってしまう部分もありますが、「これは絶対に入れたい!」という要素があるのであれば洗い出しておき、可能な限り早い段階で制作会社に伝えておくことをおすすめします。
ホームページ制作はおおまかに
ヒアリング→企画→フレーム・デザイン→デザイン決定→コーディング
と段階を踏んで進んでいきます。
そのため、例えばデザインの段階で「やっぱこういう機能を入れて欲しい」「こういう雰囲気に変えて欲しい」となると、想定していた計画が狂ってしまうので、バランスが崩れて継ぎはぎのようになってしまったり統一性のない中身になってしまいます。最悪イチから作り直しになり、追加費用が発生する場合もあるかもしれません。
はじめから全て洗い出すのは難しいとは思いますが、ベストなのはヒアリングの時点で伝えてもらうことです。
それが無理な場合でも、デザインが進む前になるべく早く伝えてもらえているととっても助かります。
■ホームページ制作に必要な事前準備~データ編~
ここから挙げるものは場合によっては必須ではありませんが、制作会社からお願いされる可能性があるものたちです。
準備しておくことで主に制作スピードがアップするため、手元にある場合は揃えておいて損はありません。
①使用する写真
ない場合は無料素材または有料素材でお作りすることもできなくはないです。
ただ、他社でも使われていたり、嘘っぽくなってしまい説得力に欠けてしまいます。また、イメージされている通りの画像がない場合もあります。
※「ないけどフリー素材もいやだ」という場合は、当社は撮影することもできます。(撮影費は別途掛かります)
②ロゴの画像またはデザインデータ
デザインデータがなければ画像でもOKですが、きれいに表示されない場合があります。また、あまり複雑でなければ模写することもできますがその場合は別途費用がかかる可能性が高いです。
③会社概要・パンフレット・カタログ等
企画・デザインの参考資料としてあるとかなり助かります。
④参考のホームページ
言葉にするのが難しいという場合は、参考にしてほしいホームページをピックアップしておくのも手です。どういった点が気に入ったのか?(雰囲気や色が好き・伝えたい内容が似ている・こんな機能が欲しい等)まで教えていただけるとよりイメージしやすいのでものすごく助かります。
⑤強味や内容の文章
ホームページの文章は制作会社側がお調べして書くこともできますし、もちろん事前に確認していただけますが、これがあると打ち合わせや制作がかなりスムーズになります。
振り返るついでに箇条書きでも書き留めておくといいかもしれません。
⑥サーバー・ドメイン・FTP情報
現在サイトをお持ちで、制作会社に公開や運営まで依頼する場合は必要になります。契約時の書類などがどこにあるかをあらかじめ確認しておくと、後々慌てなくて済みます。
■まとめ
ホームページ制作は制作会社の力だけでは成り立ちません。
私たちは「目的達成のためにどのようにアピールをすればいいか」というご提案とそれを形にすることはできても、その「きっかけ」や「想い」はクライアントの中にしかないからです。
目的も素材もない状態でも、他社のホームページを参考にしながら無料素材だけで作ることは不可能ではありません。
でもそうやって出来上がるのは「誰のためでもない」「誰にも響かない」ホームページなのです。
最悪の場合、イチから作り直しになり余計な時間や費用が掛かってしまう可能性があります。
たくさん準備することがあるようで絶望しそうになるかもしれませんが、大丈夫です。
全ての要素を完璧に揃えておかなければならないということではありません。
出来る範囲で伝えようとさえして下されば、そこからヒントを得てご提案することができます。
出来上がったホームページが「思てたんと違う・・・」ということにならないためにも、協力しながら一緒により良いホームページを作りましょう!